夏と言えば自由研究なので、GS(特定の伝説ポケモン2体まで入れることのできるダブルバトル)におけるジガルデの役割について考察していました。
本記事では、7世代GSにおけるジガルデについての自分の考え方を記します。
本記事と合わせて、こちらの記事(第6世代におけるジガルデのGS考察記事)も合わせて読むことをオススメします。
まあ大体の人が読まないと思うのですが、こちらの記事を要約すると
・専用技の「グランドフォース」や「しんそく」、「りゅうのまい」、「ドラゴンテール」、「いわなだれ」といった優秀な技を覚えられるが、A種族値は100と控えめ(フライゴン並み)。
・特性オーラブレイクを活かして、相手のゼルネアス・イベルタルの攻撃を抑える戦い方がよさそう。
・「へびにらみ」や「くろいきり」、「しんぴのまもり」などの優秀な補助技を活かして、隣のサポート型をするのがよさそう。
というものでした。
第7世代ではさらに、専用技として「サウザンアロー」や「サウザンウェーブ」、「コアパニッシャー」を使えるようになったり、10%フォルムやパーフェクトフォルムとして戦えるようになりました。それらの変更点を踏まえ、さらにジガルデのGSでの活躍について考察していこうと思います。
専用技
以下の専用技は相手の場全体が対象となります。そのため、1匹に入る実質のダメージ量は技威力×0.75して計算するべきでしょう。
・「サウザンアロー」
威力90。物理技。じめんタイプの技ですが、ひこうタイプや、特性ふゆうのポケモンにも当たり、その後は他のじめんタイプの技も当たるようになり、うちおとす状態と表示されます。
でんき・ひこうタイプ(サンダー等)やどく・ひこうタイプ(クロバット等)にこの技で効果抜群のダメージが入るのは、うちおとす状態を付与した次の攻撃からです。
「そらをとぶ」「フリーフォール」を使用したポケモンにもダメージが入って、うちおとす状態となり、その技の効果は解除されます。
・「サウザンウェーブ」
威力90。物理技。この技に当たった相手は交代できなくなります。ジガルデが場を離れると、その効果は消えます。
・「グランドフォース」
威力90。物理技。元祖ジガルデの専用技ですが、追加効果はないため、採用価値はあまりないでしょう。強いて言えば、ジガルデにジメンZを持たせると、この技媒体のZ技の威力が一番高くなります。
Z「グランドフォース」→威力185
Z「サウザンアロー」→威力180
Z「サウザンウェーブ」→威力175
・「コアパニッシャー」
威力100の特殊技。C種族値81と控えめなため採用価値は薄いかと考えます。
しかしながら、技効果は独特であり、この技のダメージを受けたポケモンがそのターンにすでに技を使用していた場合、そのポケモンの特性が無効になるというもの。この技を使用する際には、トレーナーとしての腕が試されるといえるでしょう。ドーブルに覚えさせてみるのも面白いかもしれませんね。
型紹介
〇特性オーラブレイク
GS用のジガルデの調整を考えました。
— すきやバイト (@baitopoke) 2018年8月10日
よかったら使ってあげてください。 pic.twitter.com/e8wUkJIput
↑↑の呟きにダメージ計算や雑感を足して記します。
・主な仕事は
①特性オーラブレイクで味方への相手のゼルネアス・イベルタルの攻撃を抑えること。
②「へびにらみ」でのS操作を行うこと。
④地面タイプの命中安定の全体技で相手にダメージを蓄積させること。
・持ち物:ロゼルのみについて
「ジオコントロール」を積んだゼルネアス(C183)の「ムーンフォース」は、特性オーラブレイクが発動していても、HD特化ジガルデ(H215D161)ですら低乱数で落ちてしまいます。そのため、ロゼルの実を持たせることで、ゼルネアスに対して仕事(「くろいきり」や「へびにらみ」での「ジオコントロール」の妨害)が可能になります。
・配分について
性格:ようき
種族値:108-100-121-81-95-95
努力値:H28 A196 B44 D4 S236
実数値:187-145-147-90-116-159
・S:最速91族(霊獣ランドロス)+1
90族の伝説ポケモンを抜くことができますが、91族の霊獣ランドロスもGSではたまに見かけるため、そこまで抜いておくべきでしょう。
・被ダメージ
メガレックウザ(A232)のこだわりハチマキ「ガリョウテンセイ」高乱数耐え(160~189)
ゲンシカイオーガ(C255)のダブルダメ「こんげんのはどう」確定2発(153~181)
ゲンシグラードン(A255)のダブルダメ「だんがいのつるぎ」高乱数2発(88~105)
ゲンシグラードン(A232)のダブルダメ「だんがいのつるぎ」低乱数2発(81~96)
→被ダメージでゲンシグラードンのA実数値を推測できる。
ロゼルの実+オーラブレイク込みで
おくびょうゼルネアス(C183)の「ムーンフォース」確定3発(64~76)
ひかえめゼルネアス(C201)の「ムーンフォース」確定3発(70~84)
C2段階上昇おくびょうゼルネアス(C183)の「ムーンフォース」確定2発(127~150)
C2段階上昇ひかえめゼルネアス(C201)の「ムーンフォース」確定2発(139~165)
・ダブルダメ「サウザンアロー」 で計算しています(威力90)
→無振りゲンシグラードン(H175B180)確定3発(62~74)
→無振りゼルネアス(H201B115)乱数4発(48~57)
→H4メガレックウザ(H181B120)確定4発(46~55)
→HB252ゲンシカイオーガ(H207B142)乱数5発(39~46)
→H252クロバット(H192B100)低乱数2発(55~66→109~130)
火力は控えめだし、相手をワンパンするというより、削りの役割で使うのがよさそうですね。
・ジガルデの相棒とするポケモンについて
ジガルデや一般ポケモンたちで場を整えて、後発から繰り出して雑に「しおふき」や「こんげんのはどう」で攻撃するのが本当に強いです。カイオーガが苦手なゲンシグラードンやゼルネアス、電気タイプにジガルデが(比較的)強く出ることができるので、カイオーガとジガルデのコンビはオススメできます(使用者の感想)。
(サンプルパーティ)
・Eclipse杯1st ~『オーラブレイク』ジガルデ+メガライボルト (GS仲間大会) - 開放的隔離空間
・【VGC2016】ジガルデ+カイオーガ【INCJune使用PT】 - ばいとくんのポケモン雑記
カイオーガと同じように、ジガルデや一般ポケモンたちで場を整え、後発から「だんがいのつるぎ」や「ふんか」で一掃するという使い方が強いと思います。
またジガルデの新しく追加された「サウザンアロー」という技で浮いている相手を地面に撃ち落とし、ゲンシグラードンの地面技を命中させることができます。ただし命中率はそのまま。
ドラゴン・じめんタイプのジガルデは、ゼルネアス・イベルタルからの攻撃を抑えられると言っても、イベルタルはともかく、タイプ相性的にフェアリータイプのゼルネアスには強いとは言い切れません。そのため、一方的にゼルネアスに強い鋼タイプのソルガレオを採用することを考えました。
ようき「メテオドライブ」で無振りゼルネアス(H201B115)に対して中乱数1発(186〜222)とやや心もとないダメージ量ですが、ジガルデの全体技でゼルネアスを確定圏内に押し込んだり、トドメを刺すといった動きが可能になります。
また被ダメージの面でも、ソルガレオは素の状態ではイベルタルの「イカサマ」で高乱数1発(204〜242)で仕留められてしまいますが、ジガルデのオーラブレイク込みなら確定2発(120~144)と、1発は耐えることができます。
ゲンシカイキ組に対しても、ソルガレオのZ「じしん」やZ「ワイルドボルト」、「ワイドガード」、「バークアウト」などの技で意表を突くことでアドを稼ぐことができそうです。
このようにジガルデとソルガレオのコンビはお互いが妙にうまい連携をとることができます。現在このコンビによるGSのPTを鋭意模索中ですので、いずれそのPTの記事を書けたらと考えています。
さらに、ゼルネアス・イベルタルの両方に弱いポケモンとして、このエスパー・ドラゴンタイプの伝説ポケモンがヒットしました。
ウルトラネクロズマのA個体値を低くすると、オーラブレイク込みなら、なんとイベルタルのイカサマですら耐えられます。具体的には、横にジガルデがいて、A実数値154~156、A個体値0~4の範囲ならば、イベルタルのイカサマを確定で耐えることができます。
自分はこのポケモンをまだ触っていないため、このポケモンとジガルデのGSのPT記事はまた今度の機会にと考えています。
〇特性スワームチェンジ
・スワームチェンジについて
10%フォルムのジガルデ、あるいは50%フォルムのジガルデのHPが半分以下になると、パーフェクトフォルムへとフォルムチェンジするというもの。当然オーラブレイクとは両立はできません。つまり両者を全く違うポケモンとして考えていくべきでしょう。
ここでそれぞれのフォルムの種族値を見ると、
10%フォルム:54-100-71-61-85-115
50%フォルム:108-100-121-81-95-95
パーフェクトフォルム:216-100-121-91-95-85
となります。
戦闘中にフォルムチェンジはHPが半分以下になったそのターンの終了時に行われます。このフォルムチェンジによって具体的に起こることはHPが回復し、BCDSの種族値が変化します。
ここで10%フォルム、50%フォルムそれぞれについて起こる変化を、型考察と合わせて見ていきましょう。
・10%フォルムの型考察
フォルムチェンジするとHPが種族値の差162回復し、Sが115から85に落ちるのがポイント。
①きあいのタスキ型
技:地面技/りゅうのまい/まもる/自由枠
持ち物:きあいのタスキ
性格努力値:ようきH4 A252 S252
実数値:130-152-91-×-105-183(10%フォルム)
→残りHP+162-152-141-×-115-150(パーフェクトフォルム)
努力値配分をASとし、火力とスピードに寄せたもの。耐久はきあいのタスキとフォルムチェンジ後のHP回復に任せています。「りゅうのまい」を1回積んだ後のパーフェクトフォルム時のすばやさ実数値は225で、こだわりスカーフひかえめカプ・テテフや最速フェローチェを抜き去ることができます。火力は控えめなので、性格はいじっぱりでもありかもしれませんね。
②きあいのタスキ型その2
技:地面技/りゅうのまい/まもる/自由枠
持ち物:きあいのタスキ
性格努力値:ようきH124 A252 S132
実数値:145-152-91-×-105-180(10%フォルム)
→残りHP+162-152-141-×-115-134(パーフェクトフォルム)
①の型からSを削って1回「りゅうのまい」を積んだ後に、パーフェクトフォルム時に最速130族(カプ・コケコ等)を抜けるように調整したもの。耐久は相変わらず心もとないです。ようきメガガルーラの「すてみタックル」で簡単に落ちてしまいます。
・50%フォルムの型考察
フォルムチェンジするとHPが種族値の差分108回復し、Sが95から85に落ちる。BD実数値は変化しない。
①ASりゅうのまい型
技:地面技/りゅうのまい/まもる/自由枠
持ち物:きあいのタスキ、ジメンZなど
性格努力値:ようき H4 A252 S252
実数値:184-152-141-×-115-161(50%フォルム)
→残りHP+108-152-141-×-115-150(パーフェクトフォルム)
上述にもあるように「りゅうのまい」を積む型。火力は相変わらずお察しなので、性格をいじっぱりにしたり、2回「りゅうのまい」を積むのを前提とした型を考察するのもアリかもしれません。
②みがわり型
技:地面技/みがわり/へびにらみorりゅうのまい/まもる
持ち物:たべのこし
性格努力値:ようきH124 A148 S236
実数値:199-139-141-×-115-159(50%フォルム)
→残りHP+108-139-141-×-115-148(パーフェクトフォルム)
Sラインは50%フォルム時に最速91族抜き。パーフェクトフォルム時には準速90族+6。
HPはパーフェクトフォルム時にたべのこしの回復量効率がいいように16n+1調整。
たべのこしの回復量込みで「みがわり」を合計7回貼ることができる型。
50%フォルム時にHP49の「みがわり」を3回貼り、ターンごとにたべのこしで12ずつ回復します。3ターン目の最後の残りHPは86と半分以下なので、フォルムチェンジしてHPを108回復します。
パーフェクトフォルムになると、総HPも108増えたため、パーフェクトフォルム時のみがわりの体力も再計算されます。つまり総HPは305、残りHPは194。
パーフェクトフォルム時に体力76の「みがわり」を貼り、ターンごとに19回復します。これを4回繰り返すことができます。
あとは「みがわり」の影に隠れて、「へびにらみ」や「りゅうのまい」をするのがいいでしょう。「まもる」を絡めれば、さらにたべのこしでHPを回復できるので「みがわり」を貼れる回数はさらに多くなるでしょう。
長々と書きましたが、この型については、さらにいい努力値配分があるような気がしてならないので、ご存じの方はこっそりと自分に教えてください。
まとめ
・第7世代に入って追加された専用技はいずれも優秀。
・特性オーラブレイクのジガルデは「へびにらみ」や「くろいきり」などを活かした補助型がよさそう。
・特性スワームチェンジのジガルデは「りゅうのまい」や「みがわり」などを活かした型がよさそう。努力値調整には一考の余地あり。
参考文献
・『サンムーンのGSルールをウルトラに楽しむ本。』伝説厨オフ様